逃げ出せない泥沼で足掻くこの姿はあまりにも滑稽で

物心ついたときから殴られていた。蹴られていた。怒鳴られていた。
それが当たり前だと思っていた。どこの家もそうだと思っていた。
他者に触れ、親の教育の全ては否定された。やることなすこと拒絶された。

自分がまともな育ち方をしていないと知ったときの子供の気持ちが分かる人間、挙手。

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生きることが作業化してる。

栄養摂取のために食べる。味覚は失ってはいないが味はどうでもいい。
疲労回復のために眠る。ここしばらく眠ったと思えるほど眠った記憶がない。

正直、何もかもがどうでもいいんだと思う。
絵も文も完璧スランプ。駄作さえも創れやしない。
あぁ、でも、リクエストされた小説は仕上げなきゃ。



どうすればいいんだろうね。

「いつでも相談しろ」って言われる度、相談する場所がなくなってくよ。
そういった人間のうち何人が俺の『暴走』についてこれた？
結局は見捨てられるんだ。
それが分かっている以上、相談なんて一時の癒しにもならない。
まして、救いになんかなり得ないんだよ。



この魂は姉のもの。
その器は親のもの。

『俺』なんか、本当はどこにもいないんだよ。
『風海雪那』も『黒風貴臣』も、存在しないんだよ。

生まれたときから、劣化コピーだったんだ。
本当に愛されるはずだった存在の。
生まれることのなかった長子の。

狂ったふりが板について　拍手モンです　自己防衛
それ流行ってるわけ？　孤独主義　甘ったれの間で大ブレイク
　　　――BUMP OF CHICKEN / レム

…これ聞いて号泣した俺、間違ってないよな？
まんま俺じゃんさ、これ。
つーか他者から見た俺…か。
ふりしてるつもりはなくても、そう見えるんだろうなぁ。
ま、仕方ないな。
どっちが先だったのか、当の本人が思い出せないんだから。



美しくなんかなくて　優しくもできなくて
それでも呼吸が続くことは　許されるだろうか
その場しのぎで笑って　鏡の前で泣いて
当たり前だろう　隠してるから　気付かれないんだよ
夜と朝を　なぞるだけの　まともな日常
　　　―――BUMP OF CHICKEN / ギルド

これは…俺から見た『俺』かな。
悲劇の主人公思想丸出し。最悪。
あーあ。

鬱。