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思いつきで書き綴るモンハンSS。
タイトル未定。結末は見えてるけど道程が見えねぇ。あるある。
「あー…」
そんな呆けた声しか出なかった。
当然、自分が今置かれている状況に驚愕はしていたが――
同時に、辟易した。
いつものようにギルドに来ていた依頼を――火山の鎌蟹退治を――請け、
いつものように火山へ向かっていた、…はずだった。
その途中で何者かに後ろから襲われて気を失い、
眼を覚ましたら決戦場のド真ん中で、座り込んだまま山の向こうを見れば、
ミラボレアス亜種、災厄の紅が飛来するところでしたとさ。ちゃんちゃん。
…現実逃避の一つだってしたくなるさ。誰だってそうする。俺だってそうする。
――ギルドに所属するハンターが、偶に謎の失踪を遂げることがあった。
モンスターを討伐しに出かけたはずが、それっきり帰ってこないのだ。
モンスターに殺されたのなら遺体や遺品があってもいいはずだが、それすら見つからない。
ギルドナイツに粛清されたとかという噂もあったが…今、その失踪事件の真相を理解した。
近年、ハンターの数は上昇の一途を辿っている。
…恐らく、モンスターたちの生態系を破壊しかねない程に。
そしてギルド側は、ハンターを減らすことにしたのだろう。
眼を引くような技術もなく、これ以上の成長も見込めず、ソロでの活動を主とし、親しい人間も居ない。
そんな“ふと居なくなっても誰もそれほど気に止めない”ハンターを選び出し、
そのハンター一人では太刀打ち出来ないモンスターに“生贄”として捧げる。
そこで力尽きればアイルーたちが助けに来ることはなく、ただモンスターに食われるだけ――。
ハンターを減らし、自らの手を汚さず、凶悪モンスターを鎮める、一粒で三度美味しい方法。
中途半端なハンターが溢れかえっている現状だから出来る、最悪で最善の方法。
殺される側はたまったものではないが、ギルド側を責めることは出来ない。
多くのものを救うために、少数を切り捨てる。それも立派な判断だ。
眼前に降り立った紅色の災厄を見上げる。近くで見ると本当にデカい。
過去に、一回だけ紅龍を見たことがある。その時は一人ではなかったが。
…そういえば、他人と狩りにいったのはあれが最後かもしれない。
そんな想い出すら、霞がかかった幼少時の記憶のようで。
自分の死が近いことを、嫌というほど思い知る。
のろのろと立ち上がり、武具の所在を確認する。
ギルドの連中も、武具までは奪い取らなかったらしい。最後の温情か。
雷刃ヴァジュラ――先日狩ったキリンの素材でやっと完成して、
今日の狩りで華々しいデビューを飾る予定だった、雷を纏う片手剣。
紅龍を狩るのにはまるで向いていない武器。それでも、これを振るうしかない。
こんなことになってしまってゴメンな。…でも、最期まで付き合ってくれな。
この状況に置かれた時点で、命運なんか尽きている。
それならそれで、最期までやってやるさ。
そしてその最期の最後に――消えかけの蝋燭の最後の煌めきを見せてやろうじゃないか。
災厄が、吼えた。
タイトル未定。結末は見えてるけど道程が見えねぇ。あるある。
「あー…」
そんな呆けた声しか出なかった。
当然、自分が今置かれている状況に驚愕はしていたが――
同時に、辟易した。
いつものようにギルドに来ていた依頼を――火山の鎌蟹退治を――請け、
いつものように火山へ向かっていた、…はずだった。
その途中で何者かに後ろから襲われて気を失い、
眼を覚ましたら決戦場のド真ん中で、座り込んだまま山の向こうを見れば、
ミラボレアス亜種、災厄の紅が飛来するところでしたとさ。ちゃんちゃん。
…現実逃避の一つだってしたくなるさ。誰だってそうする。俺だってそうする。
――ギルドに所属するハンターが、偶に謎の失踪を遂げることがあった。
モンスターを討伐しに出かけたはずが、それっきり帰ってこないのだ。
モンスターに殺されたのなら遺体や遺品があってもいいはずだが、それすら見つからない。
ギルドナイツに粛清されたとかという噂もあったが…今、その失踪事件の真相を理解した。
近年、ハンターの数は上昇の一途を辿っている。
…恐らく、モンスターたちの生態系を破壊しかねない程に。
そしてギルド側は、ハンターを減らすことにしたのだろう。
眼を引くような技術もなく、これ以上の成長も見込めず、ソロでの活動を主とし、親しい人間も居ない。
そんな“ふと居なくなっても誰もそれほど気に止めない”ハンターを選び出し、
そのハンター一人では太刀打ち出来ないモンスターに“生贄”として捧げる。
そこで力尽きればアイルーたちが助けに来ることはなく、ただモンスターに食われるだけ――。
ハンターを減らし、自らの手を汚さず、凶悪モンスターを鎮める、一粒で三度美味しい方法。
中途半端なハンターが溢れかえっている現状だから出来る、最悪で最善の方法。
殺される側はたまったものではないが、ギルド側を責めることは出来ない。
多くのものを救うために、少数を切り捨てる。それも立派な判断だ。
眼前に降り立った紅色の災厄を見上げる。近くで見ると本当にデカい。
過去に、一回だけ紅龍を見たことがある。その時は一人ではなかったが。
…そういえば、他人と狩りにいったのはあれが最後かもしれない。
そんな想い出すら、霞がかかった幼少時の記憶のようで。
自分の死が近いことを、嫌というほど思い知る。
のろのろと立ち上がり、武具の所在を確認する。
ギルドの連中も、武具までは奪い取らなかったらしい。最後の温情か。
雷刃ヴァジュラ――先日狩ったキリンの素材でやっと完成して、
今日の狩りで華々しいデビューを飾る予定だった、雷を纏う片手剣。
紅龍を狩るのにはまるで向いていない武器。それでも、これを振るうしかない。
こんなことになってしまってゴメンな。…でも、最期まで付き合ってくれな。
この状況に置かれた時点で、命運なんか尽きている。
それならそれで、最期までやってやるさ。
そしてその最期の最後に――消えかけの蝋燭の最後の煌めきを見せてやろうじゃないか。
災厄が、吼えた。
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