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学祭会場に行って――
耐えられなくなってその場を去って――
寮の手前まで戻って、また、会場に戻る。
…それを、何回繰り返しただろう。
行きたくない。けど行かなければならない。
逃げようとする本心を捻じ伏せるのに、午後までかかった。
やっと寮を出ると、そう遠くない場所から楽しげな喧騒が聞こえてくる。
――苦しい――苦しい――逃げたい――
心の奥底の、大人になることを拒む部分が悲鳴を上げる。
体は鉛のように重く、足取りはまるで病人だ。
決してお祭りの雰囲気に溶け込みようのない空気を纏っていたに違いない。
――先生に、遅刻したことを謝らなくては
もはや、その義務感だけが体を動かしていた。
…行くべき場所は、すぐに見つかった。
会場の入り口、受付の向こう。
普段同じ教室で学んでいる学生の群れが、見えた。
見た瞬間、吐き気がした。
彼らに聞けば、先生の行方も分かるだろう。
もしかすると、あの群れの中にいるのかもしれない。
しかし、身体がそれを拒む。
――話す?近づく?オレが?あいつらに?
背筋に怖気が走る。嫌悪感が全身を包む。
冗談ではない――そんなことをすれば、オレは狂ってしまう。
もはやオレにとって、『同じ学科の学生』であることなど毛ほどの意味も持ちはしない。
彼らにとってオレは異物であって、オレには彼らを許容する精神力はない。
その事実の前に、受け容れるという選択肢は掻き消える。
ただ、お互い嫌悪しあうだけの存在。
それ以上でも、それ以下でも、ない。
だから、近づかなかった。
狂いそうなほどの恐怖が肉体を支配して。
大人になることが出来ない心は――恐怖に敗北した。
簡易ステージの近くで、立ち尽くす。
行けども、引けども、待つのは、虚しさ。
人の波。話す声。笑顔。
自分の心が壊れていくのが、分かった。
苦しくなって、逃げ出して。
これではいけないと、また戻る。
逃避願望と克己心が、互い違いに訪れる。
気付いたヤツもいたはずだ。オレが会場に姿を現したことに。
ステージには、奴等のたむろするテントの前を通らなければならないのだから。
ただ、オレの裡に燻る闇には気づきもしなかっただろうが。
怒り、憎しみ、殺意。破壊への欲望。
視界に映る全ての笑顔を、奪いつくしてやりたかった。
…そう、同じ場所で学ぶ羽目になっているあいつらから――。
眼を刳り貫き、五体を引き千切り、内臓を素手で抉り出し。
途切れることない断末魔の悲鳴を心行くまで聞く。
見渡す限りに広がる血の色。あかく、赤く、紅く。
そうしたらオレの心はどれほど満たされるだろうと。
そんなことを考えていることになど、誰が気付いただろう。
結局、数度目に寮へ向かう途中担任に発見され、部屋に戻ったわけだが。
…そこにあったのは、やはり虚しさだった。
悔しくて、悔しくて、悔しくて――声を上げて、泣いた。
出来ることなら、オレだって学園祭を楽しみたかった。
他のみんなのように話したかった。笑いたかった。
かき氷や焼き鳥を食べたり、他学科の出し物に興じてみたり――。
…普通に、普通で、ありたかった!!
オレの心がぐしゃぐしゃで、いちばん苦しいのは、オレなんだ!!
歪んでブッ壊れた精神抱えて、いちばん悩んでんのはオレなんだ!!
いちばん、オレにマトモなココロが欲しいのは、オレなんだよ!!
健常な精神であることの幸せさがわかんねぇヤツに、何言われたって嬉しかねぇんだよ!!
耐えられなくなってその場を去って――
寮の手前まで戻って、また、会場に戻る。
…それを、何回繰り返しただろう。
行きたくない。けど行かなければならない。
逃げようとする本心を捻じ伏せるのに、午後までかかった。
やっと寮を出ると、そう遠くない場所から楽しげな喧騒が聞こえてくる。
――苦しい――苦しい――逃げたい――
心の奥底の、大人になることを拒む部分が悲鳴を上げる。
体は鉛のように重く、足取りはまるで病人だ。
決してお祭りの雰囲気に溶け込みようのない空気を纏っていたに違いない。
――先生に、遅刻したことを謝らなくては
もはや、その義務感だけが体を動かしていた。
…行くべき場所は、すぐに見つかった。
会場の入り口、受付の向こう。
普段同じ教室で学んでいる学生の群れが、見えた。
見た瞬間、吐き気がした。
彼らに聞けば、先生の行方も分かるだろう。
もしかすると、あの群れの中にいるのかもしれない。
しかし、身体がそれを拒む。
――話す?近づく?オレが?あいつらに?
背筋に怖気が走る。嫌悪感が全身を包む。
冗談ではない――そんなことをすれば、オレは狂ってしまう。
もはやオレにとって、『同じ学科の学生』であることなど毛ほどの意味も持ちはしない。
彼らにとってオレは異物であって、オレには彼らを許容する精神力はない。
その事実の前に、受け容れるという選択肢は掻き消える。
ただ、お互い嫌悪しあうだけの存在。
それ以上でも、それ以下でも、ない。
だから、近づかなかった。
狂いそうなほどの恐怖が肉体を支配して。
大人になることが出来ない心は――恐怖に敗北した。
簡易ステージの近くで、立ち尽くす。
行けども、引けども、待つのは、虚しさ。
人の波。話す声。笑顔。
自分の心が壊れていくのが、分かった。
苦しくなって、逃げ出して。
これではいけないと、また戻る。
逃避願望と克己心が、互い違いに訪れる。
気付いたヤツもいたはずだ。オレが会場に姿を現したことに。
ステージには、奴等のたむろするテントの前を通らなければならないのだから。
ただ、オレの裡に燻る闇には気づきもしなかっただろうが。
怒り、憎しみ、殺意。破壊への欲望。
視界に映る全ての笑顔を、奪いつくしてやりたかった。
…そう、同じ場所で学ぶ羽目になっているあいつらから――。
眼を刳り貫き、五体を引き千切り、内臓を素手で抉り出し。
途切れることない断末魔の悲鳴を心行くまで聞く。
見渡す限りに広がる血の色。あかく、赤く、紅く。
そうしたらオレの心はどれほど満たされるだろうと。
そんなことを考えていることになど、誰が気付いただろう。
結局、数度目に寮へ向かう途中担任に発見され、部屋に戻ったわけだが。
…そこにあったのは、やはり虚しさだった。
悔しくて、悔しくて、悔しくて――声を上げて、泣いた。
出来ることなら、オレだって学園祭を楽しみたかった。
他のみんなのように話したかった。笑いたかった。
かき氷や焼き鳥を食べたり、他学科の出し物に興じてみたり――。
…普通に、普通で、ありたかった!!
オレの心がぐしゃぐしゃで、いちばん苦しいのは、オレなんだ!!
歪んでブッ壊れた精神抱えて、いちばん悩んでんのはオレなんだ!!
いちばん、オレにマトモなココロが欲しいのは、オレなんだよ!!
健常な精神であることの幸せさがわかんねぇヤツに、何言われたって嬉しかねぇんだよ!!
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