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風邪引いたくせぇ。
久々にSSでも。俺屍、僕ん家(綾凪家)の話。
「っ、はぁッ!!」
京のある屋敷の裏庭で、亜麻色の髪の少女が鍛錬をしていた。彼女の名は銀朱。体術を武器に戦う、拳法家であった。
「せいッ、やぁ!!」
「姉さん」
屋敷の中から現れたのは、濃緑の短い髪と顔の模様が特徴的な少年。名を松葉。槍術を操る槍使いであり、銀朱の双子のきょうだいである。
「松葉?どうしたの?」
銀朱は訓練の手を止め、松葉のほうへと向き直った。
「もうそろそろ夕食の時間だから、呼びに来たんだ」
「そう。もう少し訓練したら行くね。あと、」
「え?」
「姉さんって呼ばなくていいって言ってるでしょ?
普通のひとたちと違って、生まれた時間に差のない双子なんだから」
「うん…でも、姉さんは姉さんだから」
照れたように頬をかく松葉を見て、銀朱ははぁと溜め息をついた。
「…全く」
松葉は見かけよりも幼く純粋であり、また気の弱いところがあった。こんな調子で宿命に立ち向かってゆけるのかと銀朱は時折不安になる。
綾凪家は、朱点により呪われた血を持つ一族だった。普通の人間より生命の蝋燭が酷く短く、長くとも二年ほどしか生きられない『短命の呪い』。
そして人間と交わり子を残すことの出来ない『種絶の呪い』。京を守り、二つの呪いを解き、血族の平穏を得るために、神々の力を借りて朱点を倒すための戦いの日々を送る。それが綾凪の家に生まれた者の使命であった。
神との交わりによって生じた子は、母親の肉体を介さないでこの世に現れる。故に銀朱と松葉には姉や弟などという区別のしようはないのだが、それでも松葉は銀朱を姉と呼んだ。確かに銀朱は松葉よりもしっかりしたところがあり、周囲も銀朱を姉として扱っていたし、銀朱自身そういう扱いに不満を持ってはいなかったのだが、やはり松葉のことが気になってしまうのだった。
「もうちょっとピシッとしたほうがいいんじゃない?訓練してる?」
「してるってば、今日は術の巻物を読んでたけど…。姉さんが頑張りすぎなんだよ、少しは休んだほうがいいんじゃない?」
「でも、さ。あたしはこの家で初めての拳法家だから、前例がないでしょ?先人に学べるものが少ない分、それを補えるくらい努力して、後に遺していきたいんだ。…休んでる時間なんて、ないからね」
「…うん、そうだね」
銀朱と松葉は空を見上げた。橙に染まった空を、鴉の黒い影が横切っていく。与えられた時間は少ない。その中を、精一杯に走り抜ける。それが、それだけが、綾凪に生まれた者に出来ること。
「でも、…おなか空いたな」
唐突な銀朱の言葉に、松葉は軽く驚いて姉を見つめる。銀朱も松葉を見返すと、にこっと笑って見せた。その笑みを見て、松葉の表情も笑顔に変わる。
「きっともう出来てるから、食べに行こうよ」
「うん。あ、松葉」
「何?」
「頑張ろうね!」
「…おう!」
微笑みあう双子。どこにでもありそうな光景。けれど二年と経たず失われる光景。それは逃れることの出来ない運命であったが、いつかきっと呪われた運命を解放できる日が来ることを信じて。
双子は、その命を燃やしていく。
久々に書いたら文章の書き方を完璧に忘れている罠。ウボァー
一応初出陣前の生後0~1ヶ月くらいの話。
結局この双子は立派に育って鬼朱点を討伐したものの、
黒風の采配ミスで子を残すことができないまま寿命で逝ってしまいました(´・ω・`)
松葉が逝った次の月に銀朱ともう一人女の子が逝ってしまい、
2ヶ月で3人逝くという大幅な戦力ダウンの憂き目に逢うことにorz
今は生まれたばかりの弓女・弓男(当主)・壊し屋女の3人だけ。
弓の女の子が術士向けのパラなので子を踊り屋にさせたいけど指南が手に入らない(´・ω・`)
現当主がアホみたいに能力高いのでこいつを高位神と交神させると悪魔ができる予感。
久々にSSでも。俺屍、僕ん家(綾凪家)の話。
「っ、はぁッ!!」
京のある屋敷の裏庭で、亜麻色の髪の少女が鍛錬をしていた。彼女の名は銀朱。体術を武器に戦う、拳法家であった。
「せいッ、やぁ!!」
「姉さん」
屋敷の中から現れたのは、濃緑の短い髪と顔の模様が特徴的な少年。名を松葉。槍術を操る槍使いであり、銀朱の双子のきょうだいである。
「松葉?どうしたの?」
銀朱は訓練の手を止め、松葉のほうへと向き直った。
「もうそろそろ夕食の時間だから、呼びに来たんだ」
「そう。もう少し訓練したら行くね。あと、」
「え?」
「姉さんって呼ばなくていいって言ってるでしょ?
普通のひとたちと違って、生まれた時間に差のない双子なんだから」
「うん…でも、姉さんは姉さんだから」
照れたように頬をかく松葉を見て、銀朱ははぁと溜め息をついた。
「…全く」
松葉は見かけよりも幼く純粋であり、また気の弱いところがあった。こんな調子で宿命に立ち向かってゆけるのかと銀朱は時折不安になる。
綾凪家は、朱点により呪われた血を持つ一族だった。普通の人間より生命の蝋燭が酷く短く、長くとも二年ほどしか生きられない『短命の呪い』。
そして人間と交わり子を残すことの出来ない『種絶の呪い』。京を守り、二つの呪いを解き、血族の平穏を得るために、神々の力を借りて朱点を倒すための戦いの日々を送る。それが綾凪の家に生まれた者の使命であった。
神との交わりによって生じた子は、母親の肉体を介さないでこの世に現れる。故に銀朱と松葉には姉や弟などという区別のしようはないのだが、それでも松葉は銀朱を姉と呼んだ。確かに銀朱は松葉よりもしっかりしたところがあり、周囲も銀朱を姉として扱っていたし、銀朱自身そういう扱いに不満を持ってはいなかったのだが、やはり松葉のことが気になってしまうのだった。
「もうちょっとピシッとしたほうがいいんじゃない?訓練してる?」
「してるってば、今日は術の巻物を読んでたけど…。姉さんが頑張りすぎなんだよ、少しは休んだほうがいいんじゃない?」
「でも、さ。あたしはこの家で初めての拳法家だから、前例がないでしょ?先人に学べるものが少ない分、それを補えるくらい努力して、後に遺していきたいんだ。…休んでる時間なんて、ないからね」
「…うん、そうだね」
銀朱と松葉は空を見上げた。橙に染まった空を、鴉の黒い影が横切っていく。与えられた時間は少ない。その中を、精一杯に走り抜ける。それが、それだけが、綾凪に生まれた者に出来ること。
「でも、…おなか空いたな」
唐突な銀朱の言葉に、松葉は軽く驚いて姉を見つめる。銀朱も松葉を見返すと、にこっと笑って見せた。その笑みを見て、松葉の表情も笑顔に変わる。
「きっともう出来てるから、食べに行こうよ」
「うん。あ、松葉」
「何?」
「頑張ろうね!」
「…おう!」
微笑みあう双子。どこにでもありそうな光景。けれど二年と経たず失われる光景。それは逃れることの出来ない運命であったが、いつかきっと呪われた運命を解放できる日が来ることを信じて。
双子は、その命を燃やしていく。
久々に書いたら文章の書き方を完璧に忘れている罠。ウボァー
一応初出陣前の生後0~1ヶ月くらいの話。
結局この双子は立派に育って鬼朱点を討伐したものの、
黒風の采配ミスで子を残すことができないまま寿命で逝ってしまいました(´・ω・`)
松葉が逝った次の月に銀朱ともう一人女の子が逝ってしまい、
2ヶ月で3人逝くという大幅な戦力ダウンの憂き目に逢うことにorz
今は生まれたばかりの弓女・弓男(当主)・壊し屋女の3人だけ。
弓の女の子が術士向けのパラなので子を踊り屋にさせたいけど指南が手に入らない(´・ω・`)
現当主がアホみたいに能力高いのでこいつを高位神と交神させると悪魔ができる予感。
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